Netflix『俺のこと、なんか言ってた?』感想 – 出来るやつは何があっても成功する

Netflixにて2026年10月22日に配信された宮藤官九郎脚本作品。

めちゃくちゃ面白かった、役者が役者の役を演じると「当たり前」の凄さがわかる。声の大きさ、スイッチの入る瞬間、普段ドラマや映画をを見ていると、物語に隠れてこの「当たり前」の凄さを見落としてしまう。

やはり、役者さんはすごいと感じた。サウナで壬生大也が高瀬川の頭をはたくシーン。浜田雅功が役所広司の頭を叩いていると思うと、かなり面白いシーンだった。しかもあんな自然なはたき方あります?

上川周作演じる、大森くんのボイスメモのシーンも、あれ自分の怒りの声を吹き込んでるだけで、録って何になるんだろうと思うと、滑稽に見えてくる。しかもワクチン後に再開した高瀬川に聞かせたところで、俺はお前を憎んでいるという一点をしらせるだけで、大森自身の醜態を晒しているような面白さがあった。

このドラマ撮影が行われたのが、役所広司が「PERFECT DAYS」を撮り終えた直後のようで、2022年の終わり頃、ドラマ「不適切にもほどがある!」よりも、もっと前に撮っていた作品のようだ。登場人物も重なるところがかなりある。ふてほども今回の俺のこともプロデューサーは磯山晶氏。

ワクチンの話が遠い昔に感じてしまうほどタイムラグがある。テレビではこの企画は厳しかったようだが、これがもし当時放映されたらだいぶ問題作になってたよね。

高瀬川は強制的に2周目に移行したわけだけど、2周目の芸目「田中卓」のことを何も生み出しそうもない名前と言い切ってしまっていて、世の中の田中卓さんは顔をしかめる場面だろう。

ただ全編を通して、生まれ変わっても「やるやつはやる」ヒーローはヒーロになるみたいなのを見ているようで、歯がゆい物語でもあった。多少形は違っても高瀬川は田中卓としても頭角を現した。オーデションをしても何か他と違う、改札を通るだけでも目立ってしまう、普通ではないという、持って生まれた才能の話のような気もしないでもない。

とても面白い作品でした。

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