ホームランドのS8最終シーズンがNetflixでも配信がスタートしました。吹き替え版も同時にリリースされていたので再度S8を鑑賞しました。よくよく考えると当初のホームランドの内容とは既に別のドラマ?ってくらい波乱万丈のストーリー展開でした。それでも観るたびにハッとさせられるような場面もたくさんありました。出演者もだいぶ変化しましたが最後まで出演し続けてくれた役者さんに拍手です。特にマックス、君に拍手!ここからネタバレ含みますご注意を。
前回のソールとマックスの関係についての考察はこちら↓
ホームランドの物語の面白いところは実際の社会問題を表現しているところで、今回のシーズン8 (以下S8)も実際の2020年2月のアフガンとタリバンの和平合意に準えて作られています。ドラマ内でワーナー大統領がスティードリー前哨基地を突然訪れた場面は、2019年11月にトランプ前大統領がバグラム空軍基地を電撃訪問した時と重なります。実際に和平合意はなされましたが2021年3月の時点では米軍はアフガニスタンから完全撤退はしていません。ということで今回の物語の舞台はアフガニスタンの首都カブールとなりました。

捕虜から解放されたキャリーが精神病院にいる所から始まり、ソールからカブールへ向かうよう指示されます。僕は今回のマックスもカブール支局でコーヒー片手に「やぁ、キャリー」なんていう登場を期待していました。しかし実際はいきなり戦闘服を着たマックスがヘリから登場。危険地帯の通信機器の修理する大役を任されていました。前哨基地を守る兵士たちは「こいつは誰だ?」「なんでこんなやつを守らなければ」と疑心暗鬼、一人の兵士に「彼はNSAか?」と言われて否定も肯定もしなかったので例の「フリーの技術屋」という肩書きではなくなった可能性もあります。(今までのシーズンでは否定していました)今回は直接ソールの指示のもと動いているようです。ソールの役職は前シーズンから引き続き「国家安全保障担当補佐官」このポストは実際に国防や外交問題の大統領顧問にあたります。尚且つ情報工作命令の権限も有しており、これは後半のソールの真っ当なポストじゃないでしょうか。そんな偉い人の直接の指示でマックスは単独で動いています。通信機修理作戦でも熱い展開が、危険地帯に到着しモタモタ作業するマックスにイラつく兵士たちにマックスが言います。
「ハッカニがどこかにいる、奴はイスラマバードでアメリカ人36人を殺した」
つまり「【S4・ep10】大使館襲撃」のことを言っています。マックスはその大使館にいました。おそらくマックスが好意を寄せていた女性のファラもいっしょに働いていましたが、その襲撃によって目の前でハッカニに殺害されています。あの時のマックスの行動は非常に痺れました。そのこともあってマックスは設定上、酒やドラッグに溺れていた描写がS6でありました。(S5には登場しませんでした)そんな悲劇の大使館襲撃にマックスが大使館にいたということがわかり、兵士たちの心に火をつけます。つまりこれはマックスのハッカニへの復讐劇でもあります。そして生還し前哨基地の「守り神」となり若い兵士にイジられるという今までのどのシーズンにもになかった展開。
この基地に滞在したのは、おそらく数週間の出来事でしょうか。観てる側としてはマックスの活躍と兵士たちとの戯れがすごく新鮮で、マックス自身も満更でもないような雰囲気。ソールやキャリーその他CIAメンバーから信頼され、自信に満ち溢れている様子が見て取れました。一仕事を終えたマックスは前哨基地からバクラグ空軍基地へ再びヘリで帰還することになります。
若い兵士はマックスを引き留めます。「冗談じゃない、彼は守り神だ」マックスがいた間は何故か爆撃などなかったようです。後日迎えのヘリがやってきます。その迎えのヘリに乗っていたのがなんとアメリカ合衆国大統領でした。今までマックスをイジっていた兵士からすれば「マックス、、お前、、誰なんだ、、」と言ったところでしょうか。
マックスがヘリへと歩き出す、背後には若い兵士たちの視線。そしてなんとマックスは前哨基地に残る選択をします。そして搭乗する予定だったヘリが大統領を乗せたまま墜落するという超異常事態。大統領の安否確認のため精鋭たちとともに墜落現場に向かった…。墜落現場ではタリバンと応戦、キャリーから通電、例の如くブラックボックスを回収しろと無茶振り決死の回収ののち、次々と仲間を失い、1人になりタリバンの捕虜に。捕虜にされたあとキャリーはロシアのスパイのエフゲニーに「友達」を助けたいと頼みます。マックスの救出に特殊部隊を要請するもエフゲニーにと組んでるキャリーは信用ガタ落ちのため相手にされず、マックスはタリバンに射殺されました。割と呆気なく頭を撃ち抜かれました。
今更ながら僕はこのドラマにおいてマックスはとても重要なキャラクターだったと思います。登場シーンこそ多くはなかったものの、ダメそうな奴がシーズンを追うごとに成長していく、シーズン8(以下S8)において彼はもはやヒーローです。制作陣もまさかここまで登場させるつもりはなかったのではないでしょうか?

【ep8】マックスの亡骸の前で「本当にごめんなさい」と泣き崩れるキャリー。抱き寄せるエフゲニー。僕も泣き崩れました。印象的だったのはマックスとキャリーは「友達」であり続けたということ。いるのが当たり前でエフゲニーにもマックスのことを話していなかったとキャリー。エフゲニーにも誰かもよくわからない相手をよく探そうと思ったなとは思った。そこはキャリーに興味があったからでしょうか。シーズン序盤から現在までのキャリーを知っているのはソールとマックスだけではないでしょうか。
マックスのブラックボックスの功績により、戦争も回避されたので「英雄マックス」認定でしょう。

冒頭でシーズン前半とは別のドラマのようと書きましたが、実際はシーズン前半のブロディと後半のキャリーは対になっているということだと解釈しました。前半はブロディがアルカイダの捕虜にされアメリカに戻りテロリストとなり。後半はキャリーがロシアに捕虜にされロシアで諜報員となりました。前半ブロディを救ったのがキャリーで後半キャリーを救ったのがエフゲニーという構造でしょうか。終盤ロシアでエフゲニーと優雅な生活を送るキャリー、祖国を捨てCIAの暴露本も出版、これは裏もなくこのままエンディングかと思いきや、ソールに届けられた暴露本。その隙間にキャリーからのロシアの情報、ソール悪魔の微笑みからのエンディング。痺れました。ロシアで生きるアメリカのスパイとなりました。唯一心残りはアメリカに残した娘のフラニーが気の毒でした、おそらくもう会うことはできないのでしょうが、キャリーはキャリーの道を選ぶという彼女らしい終わり方なのかなと思いました。とても有意義なドラマシリーズでした10年間ありがとうございます!
※2025年5月追記:ホームランドのレスリー・リンカ・グラッター監督最新作もレビューしています!
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