【レビュー】チェスはわからないが「クイーンズ・ギャンビット」が面白かった。

Netflixにて10月23日から配信が始まったドラマ「クイーンズ・ギャンビット」を早速観ました。1950年代の女性天才チェスプレーヤーの話。小説が原作で実話ではありません。なんとなくNetflixオリジナルだと実話のような感じがしてしまう。僕はチェスのルールはわかりませんが、何はともあれ主演のアニャ・テイラー=ジョイ。彼女の立ち振る舞いや視線に釘付けであった。以前シャマラン監督のスプリットやミスター・ガラスに出ていたようだ。

主人公ベス・ハーモンは親を亡くし養護施設に入れられる。たくさんのベッド並んだ大部屋での共同生活、ベッドの上だけが自分のスペース。突然、家族も家も無くなってしまったことの現実に追い潰されることなく、飄々とした佇まいが印象的でした。8才のベスは処方された精神安定剤にハマってしまい、その後もずっと薬物と酒に悩まされ続けます。

孤児院の地下で用具係のシャイベル爺さんと出会い、シャイベルが1人でやっていたのがチェスで、そこでチェスの相手をする仲になり徐々に才能を開花させていくという話だ。7話なので、アニメか!っていうくらい展開が早かったのが良かったのかもしれません。

個人的に良かったのは、神童と呼ばれ自分がチェスにのめり込んでいる間、周りとは全く違う道を歩んでいることに気がつきます。人として何かが欠けている、それをチェスで埋める。「私はあなたたちとは違う」まさに宿命。しかし次第にチェス以外のことへの好奇心が芽生え、自分も人であるということ、すなわち大人になっていくという…。そういうベスの人っぽさが出ているシーンが良かった。

50年代、60年代の音楽もファッションも主人公ベスにとても合っていたので、正直これはアニャ・テイラー=ジョイでなかったら見れなかったかもしれない…。おすすめです。


スズキロク(字獄の鈴木録)
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