都営台東小島アパートは、2021年5月18日に建て替えが発表されました。建て替え後は戸数が170戸から111戸に減り、3分の2に減少します。現在は入居者はいないようです。【※24年1月29日追記】
台東区では2番目に古いアパートで、最初のアパートが建て替えされていたため、こちらの「台東小島アパート」が台東区に残っている最古のアパートではないだろうか。今回使用したフィルムは「Kodak Ultramax400」。カメラは「CONTAX T2」。昭和39年(1964年)東京オリンピックのあった年に着工、昭和41年に(1966年)に完成した11階建のアパートで第一次マンションブームの先駆けの高層マンションとなる。建物も築60年近くなると、当時の姿で残っているのはかなり貴重なことで、例えば有名な秀和青山レジデンス(1964年築)も2021年タワーマンションに建て替えられる予定で、同様のマンションや建物は今後、建て替えや取り壊しが多くなることが予想される。なので今、見ておくことが大事なのです。
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台東小島アパートは「下駄ばきアパート(マンション)」と呼ばれるタイプであった。下層が店舗やオフィスになっている建物で、東京公文書館の資料(Facebookリンク)にあるようにスーパーマーケットのようなものがあったのだろう。今となってはマンションの下がコンビニなんて当たり前だが当時は珍しかったのだろう。ちなみに現在はお昼に惣菜屋が開店する。
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いつまであったのかわからないが当時、アパート1階部分に「三味線堀小売市場」というマーケットがあったが、こちらのアパートは三味線堀跡(下図参照)で江戸時代、現在の清澄橋通りの部分が河川になっていてこの場所が船溜り、隅田川から船が往来し物資が集められる場所になっていたようだ、なので新しいマーケットとしての意味を込めて「三味線堀小売市場」だったのではないだろうか。ちなみに三味線堀挟んで向こう側にある佐竹右京大夫とは大名のお屋敷で現在は佐竹商店街となっている。我々も歴史を踏襲するという考え方を、改めて学ばなければいけないと思う。
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このアパートの特徴は中が吹き抜けのようになっているところだろう。吹き抜けを囲んで住居になっているが写真のように金網で閉鎖感が強い。ベランダはなくその金網に洗濯物を干したり、屋上に洗濯物を干す区画が用意されていた。これもまた時代だろうか。
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今は使われている感じがしないが家庭菜園のような使い方をしている形跡はあった。
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建物の作りが良くできている印象だった。同じ時期に建てられた建物が取り壊しや建て替えとなっている中、まだまだいけそうな雰囲気はあった。かたいコンクリートで覆われ、多くの人々の生活を彩り、今も時代背景を映し出している。
スズキロク
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