【レビュー】稲垣吾郎の新境地「ばるぼら 」を観た – 東京国際映画祭2019

©Barbara Film Committee

手塚治虫原作、愛と狂気の寓話。禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した問題作。その独特な世界感から“映画化不可能”と言われた本作が、とうとう手塚治虫生誕90周年を記念し初映像化。

手塚眞 監督(日本)

とても観やすいのに独特な世界観を感じられる作品でした。

原作の手塚治虫の「漫画」の世界観が自然に実写に投影された作品だと思った。いつの間にか「ばるぼら 」に引き込まれていく、これは夢だったのか、何だったのか、観終わった後に不思議な感覚に陥ります。

「恋する惑星」「ブエノスアイレス」など数々の有名な作品を残してきたクリストファードイル氏の撮る東京の街が、冷たく無機質で漫画と現実の境目のような「ばるぼら」の世界観を際立たせているような気がします。

稲垣吾郎さんと二階堂ふみさんはこの役に躊躇なく挑んでくれたと監督が仰っていましたが、その覚悟が感じられ、お二人とも役そのものなので、数多くある体当たりなシーンもごく自然に目に入ってきたような気がします。おそらくこれからこの作品を観る多くの方々も美倉洋介とばるぼらの姿に戸惑うかもしれません。しかしそれが必然に変わっていくことがこの映画の面白いところだったと思います。(いつもなら、え!?この二人がこんなシーンを!?とか動揺すると思うのですが・・・)

漫画の「ばるぼら 」は読んだ事はなかったので、映画を見終わってすぐに漫画を購入しました。公開までに漫画もぜひ。2時間の映画の中に「ばるぼら 」の世界観をとても上手にまとめられたのではないかと思います。

ポスターがカッコよすぎる。このポスターが映画の意味をなすところでしょうか。来年の公開されるのが楽しみです。

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WT @FnbOomk