【レビュー】退屈な日々にさようならを|第29回 東京国際映画祭 -TIFF2016-【テキスト版】

 東京国際映画祭2016にて今泉力哉監督最新作「退屈な日々にさようならを」を観た感想になります。

今回は【Podcast Episode171 東京国際映画祭にて】の配信を元にテキスト版として記事にしています。
お時間ある方は是非Podcastも一緒に聴いていただけると幸いです!【14:00〜24:00まで】





作品概要はコチラ:

映画監督の梶原はまだ映画だけでは食べていけず、MVの仕事を依頼されるも頓挫、
あれよあれよと想像もつかない事態に巻き込まれる。
女優の青葉は彼氏の映画監督・山下の自殺を看取るが、その死体を隠す。
亡き父から継いだ造園業を営んでいる太郎は会社を畳む決心をする。
太郎には18歳の時に家を飛び出して以来、10年近く連絡のつかない双子の弟・次郎がいた。
会社を畳んで数年後のある夜、太郎の家に次郎の彼女を名乗る女性から電話がかかってくる。
『サッドティー』『知らない、ふたり』で〈好きということ〉について問い続けてきた
映画監督・今泉力哉が東京と地元の福島を舞台に描く
〈新しい死生観〉と〈映画づくり〉についての群像劇。


映画序盤、売れない映画監督の梶原が
仕事を与えられることで鉄のプライドを自ら解いていく展開に一気に引き込まれました。
彼のとる行動や言動は決して間違ったものではないのですが
「上手に生きる」とは一定の限られた環境にいれる人の特権のような気がしました。
梶原はそれとは対極の環境にいます。きっと苦しみながらも作品に昇華していくそんな役柄です。
しかし不器用でまっすぐな人間性がその後の不思議な世界への足がかりになります。

梶原が足を踏み入れた世界は「死」や「恐怖」に対して様々な概念が存在していたような気がします。
死を目の当たりにした登場人物のそれぞれの「表情」に是非注目して観てもらいたいです。

もしあなたの大切な人の命の炎が小さくなっていくのを目の当たりにした時
あなたならどんな行動をとりますか?

そういった感情の表現が素晴らしかったと思います。

映画終了後、観客が様々な表情を浮かべ劇場を後にする様子が垣間見れ
不思議な空気と共に幕がおりました。

本作品のタイトルにもなったカネコアヤノさん(劇中ご本人も登場します)
「退屈な日々にさようならを」も今泉監督の映画の空気に自然と溶け込むような
楽曲でした、是非注目してください。

「退屈な日々にさようならを」はNew EP「さよーならあなた」に収録されます。
2016年11月22日(火)の下北沢シェルターで開催されるライブより会場先行で販売される予定です。

詳細はオフィシャルサイトなどをご確認ください。

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©ENBUゼミナール

上映情報更新(2017年2月27日)

上映日:2017年2月25日(土)から3月24日(金)
上映劇場:新宿K’s cinema
料金:一般¥1,800 大学生・高校生¥1,500 シニア¥1,000 リピーター割引¥1,000

 

●映画「退屈な日々にさようならを」は過去の今泉力哉監督の作品を観ておくとまた違った楽しみ方ができると思います。
あんなシーンやこんなシーンももっと楽しい…!



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